すぎた きゅうしん
杉田久信の “現場” からの教育提言
 ≪基礎学力で教育再生≫

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はじめに

【基礎学力の徹底こそ教育再生の核心です】

基礎学力は、教育の一部ではなく「教育の基盤」です

 「読み・書き・計算は教育の一部にすぎない。知識より考える力が大切なのに、ドリル的な学習に力を入れるのは問題だ」と、基礎学力の重視に反対する意見は今も少なくありません。

しかし、これまで基礎学力をおろそかにしてきたことこそが問題です。この結果は深刻です。できる子とできない子の学力格差が拡大し、二極分化の形で学力低下が大きく進行してきました。基礎学力の低下はできない子供たちの間で深刻さを増しています。象徴的なのは、中学生や高校生の中にかけ算九九さえ身についていない生徒が全国どこでも珍しいことではなくなっていることです。

彼らは中学校以降、勉強に全くついていけず、毎時間「分からない」「できない」という現実の前で、「私は馬鹿だ」「なにをやってもだめだ」との深刻な劣等感と虚無感に包まれ、一方では無気力に、他方では授業妨害や立ち歩き、中には憎悪からの破壊に走る者まで出ています。部活で救われている子供もいますが、基礎学力が身に付いていない状態では、多くの子供たちは自信をもてず自己肯定感も感じられないのです。

このことから、基礎学力は単なる教育の一部ではなく、全人教育の基盤・土台であるといえるのです。

そして、基礎学力を身に付けさせることは義務教育学校の最低限の責務だと考えます。

基礎学力は、人格形成の原動力です

読み・書き・計算といった基礎学力は、社会生活を送る上で不可欠なものであり、「生きる力」の基礎となるものです。また、基礎学力は、段階を踏んで反復学習を行えばどの子も必ず身に付けることができます。しかも、その過程で子供は「やればできる!」ことが実感でき、自信をもち元気になります。この自信は、子供たちに落ち着きと精神的安定、「学習態度」の確立、問題行動の減少といった生徒指導上の効果につながります。そして、この「やればできる!」という自信は学習意欲も高めます。

さらに、基礎学力の反復学習は、脳科学でも大脳の前頭前野を最も活性化することが明らかになっています。とくに音読・暗唱は脳を活性化するとともに、子供を著しく元気にしてくれます。

また、集中力や持続力、認識力などの学習能力そのものも高まります。しかも、少々の困難にも負けないでチャレンジする力までも身に付きます。これこそ物事を創造し、やり遂げる時に必要な「生きる力」そのものです。そして、これらの力は読み・書き・計算の反復学習で最も身に付けやすいのです。

間違ったやり方をしなければ、学童期においては基礎学力の勉強こそ人格形成の原動力になります。

基礎学力の徹底で教育は再生します

今日、多くの学校で、子どもの問題行動、深刻なトラブル、一部におしゃべりや立ち歩き、教室からの抜け出し等で、学校運営が年々難しくなっています。20年前と比べて校内暴力や不登校も激増しました。  基礎学力だけでなく学習意欲や生きる力の低下も顕著です。

これらの状況を改善する上で最も効果があるのは、 学校ぐるみ、地域ぐるみで基礎学力に取り組むことです 。それも、子供たちを徹底的に褒めながら行うことがポイントです。これは、私のこれまでの学校現場での実践を踏まえての確信です。学校ぐるみで基礎学力の徹底に取り組めば、2、3か月くらいの比較的短い期間で確実に成果が見えてきます。具体的には、まず、子供たちの学習への構えの確立や学習意欲の向上が見られ、学校全体が引き締まった雰囲気に変わります。子供たちの重大な問題行動も減少していきます。また、継続していけば、集中力や持続力などの学習能力も高まり、すべての学習活動によい影響が出てきて学力全体の底上げにつながります。これは正に、基礎学力の徹底による学校の再生です。

また、基礎学力を徹底する取り組みは、先生方が子供たちを育てることに確かな手応えを感じることができる最もシンプルで確実な教育実践でもあります。私はこの取り組みによって、どの先生方も明るく生き甲斐をもって教員生活を送っていただけると確信しています。

 

このホームページは、「教育を再生するには基礎学力の徹底が極めて効果的」であるとの主張を中心に、その理論と具体的実践方法を提案しています。主として教員を対象にした内容になっていますが、教育に関心のある父母や市民、行政関係の皆様にも参考にしていただきたいと願っています。