すぎた きゅうしん
杉田久信の “現場”
からの教育提言
 ≪基礎学力で教育再生≫

トップページへ  お問い合わせ
A.理論編 B.実践編 C.心の教育 ◆校長室の窓から ◆リンク集
1 教育を歪めた戦後の論調を糺す
2 指導要領改訂が学力低下をもたらした
3 アメリカ教育の荒廃と再生の過程
4 教育行政への提言
5 基礎学力をつける5つの柱
6 基「子供を楽にする教育」か「子供を鍛える教育」か
7 基礎学力の徹底で教育は再生する
8 戦後教育が善意で犯した罪
9 
10 
11 
12 

A【理論編】今、なぜ基礎学力か

3.アメリカ教育の荒廃と再生の経過

   日本の教育は約20年の遅れでアメリカを後追いしている。

・1950年代まで   キリスト教(ピューリタン=清教徒)精神に基づく厳格な教育の伝統。              それは、「子供の心は不道徳で虚栄心を追い求める。矯正のためには
               厳しい指導【時には鞭も】が必要」との考えに基づいている。

              19世紀後半の教育省長官ウイリアム・トリー・ハリスによって、ピューリ
              タン精神に基づき、学校の管理、規律、秩序を重視する教育指導体制が
              導入され、今日までその伝統が引き継がれてきた。授業の始めに聖書
              を読み、祈りを捧げてから授業に入る。

              〔米国の伝統的教育とは、「学校の規律」と「読み・書き・計算」の重視、
               教師に権威〕

                            ↓

              ベトナム反戦運動の広がり(左翼思想の影響拡大)

                            ↓

              1960年代に入ると、「公立学校で祈りと聖書を読むことは違憲」となり
               消え去っていった。

 

・1960年代後半〜 1970年代【80年代まで続く】 

              教育の「自由化」「人間化」「社会化」(ルソー、デューイの思想の影響)
              の 非管理教育 が広がる。

               [画一的な学校体制を廃し個々に違った教育を!]   
               [学校を非管理的で自由な空間に!]

                             ↓

                      校則廃止運動の広がり

                             

                口ひげ、イヤリング、手足の爪に真っ赤なマニキュアの生徒の出現      

                             

                 校内暴力、麻薬、アルコール、十代の妊娠へ発展

                             

                 学校の規律の乱れ、学力低下、教師の権威喪失= 伝統的教育の
                  完全な崩壊

 

・1970年代後半   「基本に返れ運動」=「@読み書き計算の充実、A規律、訓練、しつ
                けの重視、B進級、卒業認定を厳しく」が市民の中から草の根運動と
                して広がる。

・1981年      レーガン政権誕生→「強いアメリカを再生させるためには、教育を立て直
             すことが緊要。そのために、学校の規律を回復し、古きよき学校を再建す
              べき。(当時の)日本の教育に学べ」(教育の再生が最重点政策になる)
              ⇒この考えは、歴代の政権【ブッシュ、クリントン、ブッシュJr】に継承され
                ている。 

   83年     「危機に立つ国家」3500万部のベストセラー
              アメリカ教育省【ベル教育長官】
              要旨 深刻な教育荒廃、学力低下の現状がもたらすアメリカの危機。基
                  礎学力の重要性など。

   87年     「教養が国を作る」ベストセラー
              エリック・ハーシュ著(バージニア大教授)
              要旨  教育荒廃の真の原因は、学校や行政に広がっている欠陥のある
                   教育理論である

            ※  上記2冊のベストセラー本等によって、アメリカ国民の理論武装が
                 進み、欠陥のある教育理論の影響から完全に抜け出すことができ
                  た。そして、「学校の規律の回復」、「基礎学力重視」の教育改革
                 へと進むことができた。これによって、教育荒廃を克服して教育の
                 再生が始まった。

1990年代    アメリカの学校の規律がしっかりしてきて、学校は明るく、自由で、伸び
              伸びとした雰囲気になった。アメリカの教育は荒廃から抜け出した。70
              年代、80年代と低下を続けてきた学力も向上してきた。

・1997年      クリントン大統領自ら、「 学校の規律を強化し、 ゼロトレランス方式
              確立 」を全国民に呼びかけた。これによってアメリカの学校は完全に規
              律を回復した。

             ※  「ゼロトレランス(寛容なしの指導の意)方式」とは、細かい校則を
                  作り、規則を破ればただちに処罰し、場合によっては矯正のため                  の学校に送致し、直れば再び元の学校に戻すという生徒指導の
                   方式。

                          ↓

              21世紀に入って、アメリカの大学生の質は大幅に向上し、アメリカの歴
               史上最も優秀と言われるまでになった。

 

 ◎ イギリスでも、サッチャー首相、ブレア首相は教育の再生を最重点政策に位置づ
    けた。

・1988年       教育改革法

              •  「全国学力テストの実施」、「結果の公表」、「学校選択」を柱にした教
                育改革を断行

              •  低学力の学校の立て直しに力を入れる。(立て直せなければ廃校)

 

 
   
アメリカ → 「規律強化」を中心に教育再生に成功 

   イギリス → 「学校選択」を中心に教育再生に成功 

    日 本  → 「基礎学力の徹底」を中心に教育再生を目指すべき