すぎた きゅうしん
杉田久信の “現場”
からの教育提言
 ≪基礎学力で教育再生≫

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校長室の窓から

子どもを伸ばす「あゆみ」の生かし方と夏休みの過ごし方家団欒を大切にしましょう

富山市立山室中部小学校 校長室通信        第5号  (平成17年7月15日)

「あゆみ」 でコミュニケーションを深めましょう

7月20日に子供たちは学校から「あゆみ」(成績通知表)をもらってきます。

よい生活習慣を身につけ勉強を頑張った子は、「あゆみ」の成績がよくなっていることでしょう。これは大いにほめてください。努力が報われるという体験は何よりも貴重です。しかし、中には、努力したのに成績がよくなかった場合があります。こんなときは、努力を十分認めてあげるとともに、「今は地面の中で根っこが伸びているようなものだ。花はこれから咲いてくる。努力を続けると次にはきっと上がるよ」と励ましてください。  

また、勉強を怠けていて成績がよくなかったときは、ほとんどの子供は反省し、次は頑張ろうと決意します。そんなときは追い打ちして叱るのでなく、その反省や決意を共有し励ましてください。どんな場合も、子供を頭ごなしに叱るのではなく、子供とのコミュニケーションを深めるよい機会にしていただきたいと思います。

ところで、「あゆみ」に記されていることは、その子の全ての評価ではなく一部の評価です。例えば、学校以外の習い事やスポーツの頑張り、家庭での生活などについて十分に評価されることはありません。しかも、それで人生が決まるものでもありません。ですから、「あゆみ」の内容にこだわりすぎるのは好ましいことではありません。よりよい成長を促すための 現時点での一つの評価として、前向きに参考にしていただきたい と願っています。ただ、「あゆみ」には家庭では見せない意外な子供の長所や短所が記されていることがあります。それは、子供理解を深めることに役立つものです。上手に参考にしていただきたいと思います。

   子どもは「長所伸展法」で伸ばしましょう

さて、「あゆみ」を見て、子供の苦手なところや短所を克服させたいと思うのが親の気持ちです。この「短所矯正法」は、学力が高く自分に自信をもっている子供には効果があります。しかし、学力が低く自分に自信のない子供には、あまり効果がありません。自信が無かったら、短所を直すエネルギーなど湧いてこないからです。むしろ、性急に苦手克服を目指すことは、ますます自信を無くすことになりかねません。それよりも、 子供の長所や比較的得意なことを見つけて、それらを一層伸ばしていく 「長所伸展法」が誰にとっても効果的です。まず、一つでも得意なものをつくったり、得意なものを一層伸ばしたりして自信をもたせることが必要です。

 次に、苦手な学習の克服にあたっては、できるところ・わかるところまで 思い切ってさかのぼって、基礎的なことから何度も反復練習する ことが大切です。例えば、計算が苦手なら、簡単な10マス計算から取り組むことが効果的です。これは、毎日短時間でも練習さえすれば、どの子も必ず時間が縮まり上達が実感できます。このような基礎的なことを徹底反復することで、作業処理能力や知能指数までも向上します。これなら「自分にもできる」という自信をもつことができます。簡単なところまでさかのぼって、基礎的な内容をスモールステップで、あせらず一歩一歩反復習得していく、これが苦手な学習を克服する早道であり、確実で最良の方法です。

   夏休みこそ「計画を立て実行する力」を伸ばしましょう

さて、もうすぐ42日間の夏休みがはじまります。誰にでも経験がありますが、夏休みの前に目標や計画表がつくってあっても、なかなかその通りにはできないものです。まして、目標や計画を立てずに夏休みに突入したら、だらけた生活に流されてしまうのは間違いありません。そして、何もしないうちに夏休みが終わってしまいます。ですから、夏休みに入る前に目標と計画を必ず立てさせることが大切です。

夏休みは、子供が自分で目標と計画を立て生活していく力をつけるためにある と考えてください。人生を幸せに生きていくためには、自分で目標と計画を立てて生活していく力は不可欠です。世の中には、この力が身についていないために不幸になっている人は少なくありません。子供たちに、この力をきちんと身につけさせてやりたいものです。夏休みはその絶好の機会です。しっかり目標と計画を立てさせましょう。特に、夏休みにしかできない体験や自由研究等に思い切り取り組んで、有意義な夏休みを過ごしてくれることを期待しています。

例えば、水泳で10メートル泳げるようになるという 目標を立てたら、その目標を達成するための手だてを計画表にしっかり位置づけること が大切です。毎日学校のプールで30分以上練習することなどを計画表に位置づけるのです。目標は子供が進んでやりたがることを大切にして取り組ませたいものです。

ところで、客観的に見て明らかに達成不可能な目標や欲張った計画では、結果として子供は達成感を味わうことができません。目標と計画表は具体的で努力すれば達成可能なものにするよう、親のアドバイスが必要です。

できれば毎日、 音読・暗唱を

ただ、最近では逆に、やる気が乏しくて目標も最初から低くする子供が増えています。こんなお子さんには、最低限、教科書の音読・漢字・計算などをしっかり計画に位置づけさせることが必要です。親の支えも必要です。とりわけ、音読は必ず親が家事をしながらでも毎日聞いてやり、少しの進歩を見逃さず惜しみなくほめていただきたいと思います。親が聞いてあげると子供の上達はまるで違ってきます。すらすら音読ができたら暗唱にも挑戦させましょう。これまでも何度も記しましたが、音読や暗唱は子どもに自信を与え元気にしてくれます。声を出せば元気になります。大きな声が出れば、ますます活力が溢れてきます。そればかりか、音読・暗唱は脳の前頭前野を最も活性化し、毎日続ければ脳の質そのものが高度に変わっていきます。意欲の乏しい子どもや勉強が苦手な子供には、音読はとりわけ効果的です。

最後に、夏休みは親子がコミュニケーションを深めるよい機会です。ご家庭の中が、一層、素直な気持ちや優しい気持ちを伝え合う場となりますよう願っています。

     ★ 夏休みだからこそ、 早寝、早起き、朝ご飯。テレビとゲームは時間を決めて !

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