すぎた きゅうしん
杉田久信の “現場”
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 ≪基礎学力で教育再生≫

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校長室の窓から

「目標と計画を立て実行する」 夏休みに

富山市立山室中部小学校 校長室通信        第15号  (平成18年7月20日)

いよいよ39日間の夏休みがはじまります。(今年の 2学期始業式は8月29日

ところで、夏休みは何のためにあるのでしょうか。私は、 夏休みは、子供が自分で目標と計画を立て生活していく力をつけるためにある と考えています。

誰にでも経験がありますが、夏休みの前に目標や計画表がつくってあっても、なかなかその通りにはできないものです。自分を振り返ってみても、小学校時代の夏休みは毎年、計画倒れに終わっていました。特に、目標も計画を立てずに夏休みに突入した年は、だらけた生活に流され、何もしないうちに夏休みが終わってしまいました。これらの苦い経験が、しっかり目標と計画を立てることの大切さを痛感させてくれたように思います。夏休みは大人になるまで何回もありますが、それは、目標と計画を立てて生活していく力をつけるチャンスが何回もあるということです。しかし、何回あっても、その力をつけるのは極めて難しいのが現実だと思います。

人生を幸せに生きていくためには、自分で目標と計画を立てて生活していく力が不可欠です。成功している人々は、例外なく目標が明確で計画的に地道な努力を積み重ねているものです。もし、子供たちが小学校時代から目標と計画を立てて生活していく力を身につけることができたら、それは、その後の人生に、はかり知れない力となるでしょう。  

今年の夏休み、目標と計画を立て生活していく力をつける機会にしたいものです。

本当にやりたいことを目標にできたら成功まちがいなし

 ところで、目標には、現状を踏まえて 「やらなければならない目標」 「進んでやりたい目標」 の二つがあります。「やらなければならない目標」とは、決められている宿題や弱点分野の補強などですが、それだけでは意欲はなかなか続きません。また、「進んでやりたい目標」だけでも必要なことが身に付きません。最も望ましいのは「進んでやりたい目標」を根底にもって、「やらなければならない目標」も設定することです。これなら、自分らしさを生かしながら、意欲をもって充実した毎日をすごすことにつながります。

夏休みの目標と計画は学校の方でも指導しましたが、ご家庭におかれても上記の二つの目標の観点から今一度点検し、見直していただければ幸いです。

目標を設定する上で難しいのは 「進んでやりたい目標」の方です。大人でも 本当にやりたいことが明確になっている人は、この目標を設定することは簡単です。しかも、その人は成功します。なぜなら、本当にやりたいことは長続きするし、少々の困難も乗り越えられるからです。しかし、多くの人は、本当にやりたいことが分からない、見つからないのが現実です。本当にやりたいことを見つけるためには、常に「自分が本当にやりたいことは何か」を自問し続けることが必要です。また、「自分の過去を幼い頃から順に思い返すことが、本当の目標を見つける近道だ」と述べている学者もいます。

ただ、子供は大人よりも「わくわく」したり、直感的に「やりたい」と思ったりすることが多いものです。この「わくわく」「やりたい」を尊重し伸ばしていただきたいと思います。

以上のことを踏まえ、 夏休みの目標は子供が進んでやりたがることを大切にして 取り組ませてください。特に、夏休みにしかできない体験や自由研究等に思い切り取り組んで、有意義な夏休みを過ごしてくれることを期待しています。

できれば毎日、 音読(暗唱)・計算・漢字を

また、学習意欲が乏しいお子さんには、「やらなければならない目標」として、最低限、教科書の音読(暗唱)・計算・漢字などのシンプルな学習をしっかり計画に位置づけさせることが必要です。親の支えも必要です。とりわけ、音読は必ず親が家事をしながらでも毎日聞いてやり、少しの進歩を見逃さず惜しみなくほめていただきたいと思います。親が聞いてあげると子供の上達はまるで違ってきます。すらすら音読ができたら暗唱にも挑戦させましょう。これまでも何度も記しましたが、音読や暗唱は子どもに自信を与え元気にしてくれます。声を出せば元気になります。大きな声が出れば、ますます活力が溢れてきます。そればかりか、音読・暗唱は脳の前頭前野を最も活性化し、毎日続ければ脳の質そのものが高度に変わっていきます。

ところで、客観的に見て明らかに達成不可能な目標や欲張った計画では、結果として子供は達成感を味わうことができません。目標と計画表は具体的で努力すれば達成可能なものにするよう、親のアドバイスが必要です。

「あゆみ」 でよいコミュニケーションを!

夏休みは親子がコミュニケーションを深めるよい機会です。ご家庭の中が、一層、素直な気持ちや優しい気持ちを伝え合う場となりますよう願っています。

手始めに、今日、学校からもらってきた「あゆみ」(成績通知表)を通して、よいコミュニケーションの場をもっていただきたいと思います。

よい生活習慣を身につけ勉強をがんばった子は、「あゆみ」の成績がよくなっていることでしょう。これは大いにほめてください。努力が報われるという体験は何よりも貴重です。しかし、中には、努力したのに成績がよくなかった場合があります。こんなときは、努力を十分認めてあげるとともに、努力を続けると次にはきっと上がると励ましてください。  

また、勉強を怠けていて成績がよくなくて、反省し次は頑張ろうと決意していたら、その反省や決意を共有し励ましてください。どんな場合も、子供を頭ごなしに叱るのではなく、子供とのコミュニケーションを深めるよい機会にしていただきたいと思います。

ところで、「あゆみ」に記されていることは、その子の全ての評価ではなく一部の評価です。例えば、学校以外の習い事やスポーツの頑張り、家庭での生活などについて十分に評価されることはありません。しかも、それで人生が決まるものでもありません。ですから、「あゆみ」の内容にこだわりすぎるのは好ましいことではありません。よりよい成長を促すための 現時点での一つの評価として、前向きに参考にしていただきたい と願っています。ただ、「あゆみ」には家庭では見せない意外な子供の長所や短所が記されていることがあります。それは、子供理解を深めることに役立ちます。上手に参考にしていただきたいと思います。 

夏休みこそ、早寝、早起き、朝ご飯。テレビとゲームは時間を決めて!!

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