すぎた きゅうしん
杉田久信の “現場”
からの教育提言
 ≪基礎学力で教育再生≫

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校長室の窓から

勉強を得意にするコツとは?

富山市立山室中部小学校 校長室通信   第26号  (平成20年1月18日)

 今も昔も勉強が嫌いだという人は少なくありません。勉強が嫌いになるのは、「面倒くさい」から始まります。面倒くさいので練習しない。練習しないから「できない」「分からない」。すると、「自分は頭が悪い」「面白くない」「嫌いだ」となります。そして、「何のために勉強するのか」となります。

 しかし、勉強はスポーツと同じで、練習して、うまくなれば楽しくなります。自信もでてきます。知らなかったことを知ることができ、できなかったことができるようになるといった充実感もあります。試合に勝てばうれしいように、テストでいい点をとればうれしくもなります。やればやるほど面白い、それが勉強です。頭のいい、悪いよりも大事なのは、しっかり練習することです。そして、勉強すること、それ自体が頭をよくすることにつながります。

 このことについて、 3学期の始業式で 子供たちに話をしましたが、以下にその内容を記しました。このことについて、今一度、お子さまとの話題にして学習意欲の向上に活用していただければ幸いです。

何度も繰り返し練習すること、それが勉強のコツ

 (3学期始業式の式辞から)

『 ・・・・・・・・・・・・・ 2つめは、勉強やいろんなことにチャレンジして、自分を鍛えましょう。 3 学期は 1 年間の学習のまとめの時期です。しっかり勉強に取り組みましょう。漢字、計算のチャレンジテストもあります。漢字や計算は真面目に練習さえ繰り返したら必ず身に付くものです。チャレンジテストには、しっかり練習して取り組み、皆さん全員が合格してほしいと願っています。

 ここで、皆さんに勉強を得意にする方法を教えます。勉強の秘訣・コツというのは、問題をたくさん解く、練習をたくさんするということにつきます。どんな勉強も、覚えて暗唱できるくらいまで繰り返すことがコツです。( 1000 回の法則: 「どんなことも 1000 回も反復すれば覚えられる」と思っていればイライラせずに済みます )それは、ピアノやスポーツの練習と同じです。ピアノが弾けるようになるためには、同じ楽譜の苦手な部分を何度も何度も弾かなければなりません。スポーツだって同じです。たとえば、サッカーなら、ドリブル練習、シュートの練習を何度も何度も繰り返しますね。ピアノやスポーツの練習のやり方を、そのまま勉強に使えばいいのです。そうすれば、必ず勉強も得意になるのです。ですから、ピアノやスポーツなどが得意な人は絶対に勉強も得意になれるはずです。

中には、勉強している時間が短いのに、成績のいい人がいます。しかし、そういう人は、勉強していないのではなく、頭の回転が速く、短い時間でもたくさんの量をこなしているのです。もし、自分は頭の回転が速くないと思ったら時間をかければいいのです。時間をかけてたくさん練習さえすれば、必ず力がつき、よい成績をおさめることができるのです。そうすると、自信が湧いてきて、勉強が楽しくなります。勉強のコツとは、結局、たくさん練習をすることだけなのです。

 ところで、頭の回転を速くするにはどうすればいいのでしょうか。実は、皆さんが毎日、基礎学力の時間にやっている、百マス計算などの基礎計算の練習、それこそが頭の回転を速くする最も確実なトレーニングなのです。たとえば、百マス計算が50秒でできる人が本校に何人もいますが、その人は、頭の回転がたいへん速くなっているので、短い時間にたくさんの勉強をすることができるのです。これは特に、中学校、高校へ行ったら大きな差になります。中学・高校では、小学校の何倍もたくさんの量を勉強することになりますが、百マス計算などで頭の回転を鍛えてきた人は、普通の人が 5 時間かかることが半分より短い2時間や1時間でできてしまうのです。また、本校が力を入れている「百人一首」の丸暗記は記憶力を鍛え国語力を高めるトレーニングです。小学校時代に鍛えた記憶力は中学・高校に行くと一層強く大きくなって、たくさんの勉強内容も楽々覚えることができるのです。ですから、毎日の基礎学力の時間も、真剣に取り組んでほしいのです。きのうの自分よりも今日の自分が、 1 秒でも速くなり、間違いも少なくなればいいのです。人と比べる必要はありません。昨日の自分と比べるのです。そうすれば確実に頭の回転が速くなります。百人一首も一つでも多く覚えて記憶力を鍛えましょう。

 また、勉強だけでなく、掃除や委員会活動、係り活動などにもすすんでチャレンジしてほしいと思います。特に、掃除は私たちの学校をきれいにするとともに、自分の心を磨くことです。掃除の態度を見れば、その人の人間性・誠実さ・まじめさが本当によくわかります。掃除や委員会活動、係り活動にすすんで取り組めば、やり遂げる力・実行力が身に付きます。この力は、生きていく上で、とても大切な力です。しっかり取り組んでほしいと思います。

 さらに、自分の好きなことや、スポーツなどにもチャレンジしましょう。できることを一つ一つ増やして自信をつけていきましょう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・』

 

 ここに記した百マス計算や百人一首のトレーニング等の効果は確かなようです。これまで長期間、このような実践をしてきた全国の先生方が口をそろえて言われるのは、小学校よりも中学・高校に上がると、その成果が明確になってきて、その効果に驚いているということです。これは私も感じてきたことです。熱心に取り組んだ生徒や保護者からも、中学・高校で大きな差を実感しており、小学校時代に鍛えてもらってよかったという声を聞いています。

 

口や手を使って効率のよい勉強法に

 また、話したり、書いたりすると効率よく覚えられるものです。口や手を使うと効率のよい勉強法になります。それだけでなく、味、臭い、音などの五感を使ったり、歩きながら覚えたりなどの体を使って勉強するのが効果的だと言われています。

 中でも、声を出すこと・話をすることは重要です。脳科学では、音読や基礎計算、漢字の反復練習等で脳が著しく活性化することが分かっています。特に音読の効果が一番だといいます。声を出して教科書や参考書などを読むことは、単純ですが極めて大きな効果があります。頭が働いてよく覚えられるのです。他にも声を出すと効果的な例として、

・漢字を覚えるのに、書き順の1,2,3,…を唱えながら指書きをすると忘れにくくなります。

・算数の文章題も、式と式の間を、言葉を使って声をだして説明していく練習をすれば文章題が得意になります。計算でも、少数の計算などの習い初めの段階では、計算手順を言葉にして唱えながら計算することが効果的です。(本校では、これを言葉計算、又は、おしゃべり計算と呼んでいます)

とにかく、声に出してみるとしっかり覚えられるのです。できれば、家族や友達など相手をつくって話してみると一層効果的です。他人がいるだけで張りが出て、やる気が高まるからです。とりわけ、分からない友達に説明して教えてあげることは最高の勉強法です。人に教えたことは忘れません。人に教えることで確実に覚えられるのです。

 

勉強は時間を区切ることが大切

勉強の習慣を身に付けるには毎日の勉強時間を固定することが大切です。日によって勉強時間が夕食前だったり、後だったり、テレビを見るだけ見てからだったりでは、勉強の習慣は身に付きにくくなります。毎日決まった時間に勉強するよう努力しましょう。

また、もっと大切なのは、時間を区切って集中して勉強することです。「今から一時間やったら遊びに行く!」というふうに区切るのです。そうでないと気合を入れて勉強などできません。なんとなく、だらだらと机に向かっているだけでは、どれだけ時間が長くても力は付きません。それよりも、決めた時間までに、一気に集中してできるだけ多くの量をやるのです。そうすれば、はかどって成績だって上がります。時間を有効に使えば、遊ぶ時間や本を読む時間などを増やすことができます。これも勉強の大事なコツです。

 

ところで、勉強における集中力や粘り強さを支えているのは、睡眠や食事などの生活習慣です。この生活習慣が崩れて、深刻な学力低下や心身の不健康に陥っていく子供を、これまで少なからず見てきました。学力づくりの前に生活づくりこそが大切です。保護者の皆様には、子供の「早寝・早起き・朝ご飯」に格別のご配慮をお願いします。

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